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ほうぼうを食らう

見た目は悪いが味なヤツ……
それは、人も、魚も同じなようで。
そんなヤツがワタシは大好きである。

この『ほうぼう』は、まさにそのうちのひとつ。
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その爬虫類っぽい顔つきと、頭でっかち、尻すぼみな体型、
妙に鮮やかな全身……ちょっと笑っちゃう風貌なのである。

でも、顔に似合わぬ鮮やかな胸びれにはいつも見とれる。
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ついついまな板の上で胸びれを広げて、「びよ~ん」と飛んでいるような
格好にしてしまうのは、ワタシだけではないだろう……

『頭でっかちの頑固者』のことを、
イタリア語では「capone(カポーネ)」というらしい。
実はこれ、現地でのほうぼうの呼び名でもあるという。
それを知って「え?単に頭がでかいからか?」
と一人突っ込みをいれた覚えがある。
まあ、どちらが先に命名されたかは定かではないが……

コイツは、白身魚の中でも甘みがあっていい出汁もでる。
フランス・マルセイユ名物のブイヤベースでは定番の魚らしいが、
ちょっと納得。

捌ければお刺身もいい、鯛にも負けない味わいが楽しめる。
しかし、今回のは小ぶりなことと、手をかけてる暇のなかったワタシは、
定番のまるごと蒸し焼きに。
(チビとはいえ5尾もあるので、残りは後日ブイヤベースだな)
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(そうそう、チラッと見える3本足で海の底を歩くというのだから
ますます奇妙なヤツだ)

下処理もカンタン。
うろこをこそげ取り、えらと内臓を引っ張り出したら塩水できれいに洗う。
流水でもいいが、味がぼける気がするので、
真水で長々洗うのはおすすめできない。
(そういえば、コイツには浮き袋があって、これを使った鳴き声から
「ほうぼう」と付いたという話もあるらしい。
そういやコイツらにもでっかいのが付いていたな。
下処理はキモい!なんていわずに、ぜひ自分でやってみよう~)

水気をしっかりぬぐって塩をふり、10分ほど置いたら再度水気を拭く。
あとは、がんがん蒸気の立った蒸し器に入れて10分かからず出来上がり。早っ!
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熱々で、甘々で、うまうま~!
白身魚はソースでいろいろなバリエーションをつけるのが好き。
食べるときの気分で味を変えるのだ。

ほうぼうの場合も、基本は海塩と黒コショウ。
+マスタードソース、レモンをひとしぼり、和ならにんにく味噌も合う。
今回は、塩コショウとレモンのほか、
サイドメニューに作った焼きトマトのチーズ乗せと一緒に食らってみた。
食べると口の中ではボーノ、イタリアン!
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一見コワモテなお兄さんも、実は犬好きないい人だったりするし、
ぶっさいくだけど飽きない顔のノンキ犬もそう。
『変顔なヤツはいい味してるんや』と
変顔のほうぼうを食らいながらつらつら思うのだった。

そういえば、今年は、なんとなく「お魚推進イヤー」という感じ。
海辺の朝市通いや、ご近所にあるワクワクするような魚屋さんのおかげで、
魚介類がぐんと身近になったからかも。

そして、決して若くもない我ら夫婦、
カラダにやさしいという意味でも、
ウイークディはできるだけお魚を食べ、
週末は体を動かして、お肉をがっつり楽しむ……
そんなスタイルにしていけたら(あくまで希望的観測)
もっと食の楽しみ方も広がるかも。

別にたいそうなことは考えられないけど、
魚介類を美味しく食べるいろいろを探求してみるのも
悪くないかな、と思う今日この頃なのだった。
by nonkishokudo | 2009-02-09 15:18 | おいしい


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